フランスの学校から学ぶサスティナブルなエコ活動アイデア

SDGs
フランスの学校から学んだ、サスティナブルなエコ活動のアイデア

前回は「おうちで実践できる、サスティナブルなエコ活動22のアイデア」を紹介しました。現在私は、子供とできるサスティナブルなエコ活動を実践したり挑戦しながらサスティナブルなエコ生活に取り組んでいます。家庭・地域でのイベント・学校生活・行事で「子供とできるエコ活動・エコ生活はないかな?」と考えている方もいるのではないでしょうか?

実際に私も、どうやったら子供たちに「地球の環境保全が大切か」「エコ活動の大切さ」をわかってもらえるだろう?と日々頭を悩ませています。簡単に子供でも率先して取り組めるサスティナブルなエコ活動はないだろうか?と考えているときに参考になった「フランスの学校から学んだエコ活動」「フランスで取り組まれているエコ活動」「地域でのエコ活動」を紹介します。

おうちで実践できるエコ活動22のアイデア~私の場合~
フランス生活で実際にやっているエコアイデアを22個紹介します。少しずつエシカル消費に切り替えたりゼロウェイストな生活に帰ることで、家でもアイデア次第で簡単にサステナブルなエコ生活ができます。ぜひ、参考にしてください。

フランスの学校から学んだ、 サスティナブルなエコ活動のアイデア

現在、日本だと小学2年生(フランスではCE1)の長男がフランスの学校に行き始めて知ったフランスで私がフランスの学校って「エコだな」「サスティナブルだな」と思った事を紹介したいと思います。

教科書は貸出制で新しいものを使わない!

フランスの小学校に通う息子が小学1年生(CP)の時、教科書は貸出制でした。フランスの学校の先生は日本とは違い、毎年同じ学年を受け持つ固定制です。また、同じ教科書を使い続けられる点として、フランスの学校では教科書や問題集を先生が決められるという点だと思います。そのため先生が変わったり、教科書を変えない限り同じ教科書を使い続けます。息子と同じ先生のクラスだったママ友達の子も同じ教科書だったと言ってました。

私は日本で学校生活を送ったので、息子が初めて教科書を持って帰ってきた時はビックリしましたが、「文章が読めればいいのですから新しいものを使う必要ない」いい考えだなと心底思いました。息子が持って帰ってきた教科書は、日焼けしてくたびれてるページも見受けられますが問題なく使えるレベルです。小学1年生(CP)ではフランス語の読み方が主なので毎年同じ教科書でも問題ないのだと思います。

また、共同で使うものなので教科書は折ったり破いたりはもちろん、書き込み禁止・落書き禁止です。来年も違う子が使うので丁寧に使わないと先生に怒られます。ものを大切にするということをここで教えてくれてるようでとても良いシステムだなと思いました。

ちなみに、小学2年(CE1)では教科書を使っていません。先生によってはプリントだけで教科書を使わない場合もあるそうです。フランスの学校の驚きのシステムです。

ノート代わりにホワイトボード

同じく小学1年生(CP)の準備持ち物で驚いたのがホワイトボードです。

もちろんノートも使いますが、授業中の先生からの問題の答えや計算問題などはホワイトボードにやるそうです。私は日本の学校で使ったことが無かったので「新しいな」と純粋に思いました。単語の練習などもするようですが、アルファベットの書き方の練習はノートにやっています。やはり漢字のように細かいはねなどチェックする時はノートが良いみたいです。学期末に持って帰って来たときは、1年使ったホワイトボードは裏も表も想像以上に使い込まれてました。

指定の体操着ではなく運動できる服装で良い

※写真はイメージです。

日本の学校では、学校指定の同じジャージや体操服を買って使いますよね。フランスの息子の学校の体育の用意は「運動できる服」「走れる靴」「室内用の靴」でした。うちの息子は、サッカーをやっているのでサッカーで使ってるスポーツウェアを使えたので新しく買う必要がなく助かりました。体育館での授業では「室内用の靴」が持ち物でした。日本の学校では、学校の中では上履きに履き替えますが、フランスの学校は土足です。なので上履きがないんです。ですが、体育館の場合は室内が汚れるので履き替えるだろうと思います。

授業で使うものは学校の備品。体育館・プールは共用!

日本では、小学校入学と共に お道具箱や算数セットなどを購入し、細かいものまで全て名前をつけるのが大変と良く聞きます。フランスの息子の小学校での持ち物はとても少なく驚きました。「筆箱、鉛筆、消しゴム、鉛筆削り、ボールペン、12色の色鉛筆、12色のペン、はさみ、のり、20cm定規、A4サイズのホワイトボード、ホワイトボードのペン」自分たちで購入したものは12アイテムでした。ノートは学校で支給され、算数セットのような授業で使うものは学校の備品としてクラスにあるそうです。(私はコロナの影響でまだ学校内に入ったことがないので息子の話です)

体育ではボールはもちろん、縄跳び、ローラースケート、自転車まで学校の備品であります。家が近所の子は自分の自転車を持ってきますが、自宅が遠い場合、自転車を持っていない場合は学校で貸してくれます。高学年の体育の授業で使うようですが、学校でローラースケートや自転車をやることに驚きました。日本とフランスの体育とは少し位置づけが違うようです。友達の子供の学校は、ローラースケートや自転車はやらないと聞いたので、本当に学校や先生の采配によって授業が違う印象をうけます。

※写真はイメージです。

また、日本のように体育館やグランド、プールがある小学校は少ないです。息子の小学校は、グランドのようなスペースはありますが、日本の小学校に比べるととても小さいです。体育館はありませんので、器械体操や室内スポーツは市内の施設や中学校の体育館を借りてやります。うちの市内の学校ではプールがある学校はありません。なので、どの小学校も市民プールを借りてやっています。フランスの学校での費用削減やフランスの気候からきてることだと思いますが、プールに関して維持費や水の削減にもつながりますし、市民プールの運営面でも学校の市民プールの活用は良いことだと思います。

フランスの学校で取り組まれている子供でもできるサスティナブルなエコ活動のアイデア(毎日の生活で学校と家庭でできること)

※写真はイメージです。

まず、小学2年生の息子は学校で、「学校でも家庭でも環境を守るためにエネルギー、水、紙を無駄使いせずに大切にするのはみんなの仕事です。」と先生から言われたそうです。その上で毎日の生活の中で学校と家庭でできるエコ活動を習ってきました。

日本ではSDGsが最近話題ですが、フランスの学校ではSDGsの話は出てきてないです。フランスの学校には、日本の小学校の授業にある「生活」「道徳」のような授業がありません。なので、こちらも受け持ちの先生や学校によって変わってきます。授業に色々組み込まれている日本の小学生の方がエコに関して知識が高いと思います。

水を節約するための6つのアイデア

  1. コップを使って歯を磨く
  2. お風呂ではなくシャワーにする(体や髪を洗う際はシャワーを止める)
  3. トイレの流す水に注意
  4. 野菜や果物を洗った水を植物にあげる
  5. 雨水を貯めて、花壇や家庭菜園用に活用する
  6. 蛇口をきちんと閉める

ほとんど、日本でも言われていることと同じですね。小学生低学年なので、まだ簡単にできるものばかりですが、これらを毎日の生活で気を付ける習慣をつけさせるのがサスティナブルなエコ生活に大切だと思います。

因みに、1つ目の「コップを使って歯を磨く」。日本では当たり前のことですが、フランス人は何故か歯を磨いた後に水道の水を出し、そのまま口を水に当て水を口に含み、うがいをする人が多いです。なので、コップを使って必要な分の水を使用しましょう!という事だと思います。

エネルギーを節約するためにできる3つのアイデア

  1. 使わない部屋の電気を消す
  2. 寒い時はヒーターを使わずにもう一枚着る
  3. 歩きや自転車で行ける場所には車を使わない

フランスに来て思ったのが、家の中の電気が日本より薄暗いことです。また、日本の感覚の電気をつけるタイミングもだいぶ暗くなってから電気をつけ始める気がします。

また2では、フランスの冬場の室内は結構暖かい所が多いので、「何度か温度設定を下げて上着を着ましょう」ということだと思います。日本の夏場のエアコンの設定のようですね。

ちなみに、私が住んでるフランスのエリアは日本の夏のように暑くないので、エアコンを使用してる家はほぼないと思います。なぜなら、朝晩の温度差が激しく夜窓をあけておけば自然と家の中に涼しい風が入ってくるからです。

環境保護の為にできる4つのこと

  1. ゴミは分別し、可能なものはリサイクルする
  2. ゴミをポイ捨てない
  3. 紙は両面使います
  4. 良い品質のものを買う(長く使うために)

日本は世界の中でも綺麗な国の一つだと日本に住む皆さんはご存じですか?私はフランスに来て、町中や道路脇のゴミの量にとても驚きました。移民が多いというのもあるのかもしれませんが、日本では考えられないほどゴミがそこら中に捨てられている様に思います。ゴミの分別、ゴミを捨てない!!これはフランスで生活していると、本当に子どもの頃から教えるのが大切なことの一つだと感じています。

次男のクラスでは、何故か銀行のマークが裏に入っている紙がいつも塗り絵などの課題や先生から連絡に使われています。先生の家族か友達に銀行勤めの方がいるのかな!?といつも微笑ましく見ています。日本だったらこういう企業のマークが入っている裏紙は学校でつかえないですよね?もうすぐ1年たちますが、ずっと使われているので特に苦情は入っていないようです。

さて最後ですが、このエコの授業が学校で終わってから息子の口癖は「c’est  bonne qualité ?」です。私や夫が使っているものをみると「c’est  bonne qualité ?」と聞いてきます。直訳すると「それ高品質?」だと思います。(私、フランス語が苦手なので雰囲気で読み取ってます。)低品質な壊れるものよりも、良い素材を使ってしっかり作られたものを買いましょう。ということです。できるだけ良い商品を買いたいのは山々ですが、うちのお金に限りがあるので中間で許して貰おうと思っています。但しここには、「安くて低品質なすぐ壊れるもの」=(イコール)「無駄なものは買わない」ということも含まれていると思うので買う前に、本当に必要かどうか一呼吸おいて考えることもサスティナブルな生活にする為には大切ですね。

学校生活での3つのエコアイデア

  1. ご飯やおかずは自分でよそう
  2. 学校の図書館を利用する
  3. ボールなどの学校の備品をきちんと片付ける

フランスの息子の学校給食は、自分で自分の食べれる量をよそうことで食品ロスを減らす取り組みをしています。ただ、うちの息子はアレルギー持ちでいつもお弁当なのでこちらには参加できず。なので、残したものは無いか確認してお弁当に入れる「ご飯とおかず」の量に気を付けています。

また、新しい本を買う前に、学校の図書室や地域の図書館で読みたい本や楽しそうな興味のある本を探すことで、新しい本を買うことなく「資源を大切にする」「ある物を大切に使う」ことにつながります。図書館は昔から「シェアリング」して便利でサスティナブルなエコな所だったんですね。ちなみに、息子は今学校の読書時間に、図書館で借りた「ワンピース」を読んでいます。もちろん漫画ではありません。フランスには、漫画ではなく8歳から10歳用の小説版があるので、その小説版「ワンピース」を読んでます。

モノを大切にするつながりで、もう一つ。「学校のボールやみんなでつかう備品をきちんと片付ける→物が無くなることが減る→みんなものを大切にする→結果長い期間学校の備品を使えてエコにつながる」という考えもみんなで話し合ったそうです。ものを片付けるのもサスティナブルなエコ活動なんですね。家の庭でも、ボールなどをきちんと片付けて欲しいです。

子供と一緒にできる!地域での面白いエコ活動の取り組み

家庭だけでなく、家の外でもできるサスティナブルなエコ活動を探す様にしています。

公衆電話ボックスを町の小さな図書館に!

フランスの町では、昔使っていた公衆電話ボックスを町の小さな図書館にしているのを私の住んでるエリアではたまに見かけます。とうとう、私の町でも使わなくなった公衆電話ボックスに、子どもが公衆電話ボックスに絵を描き、地域の皆が持ち寄った書籍・CD・DVDを入れて、長く使われていなかった公衆電話ボックスの第二の人生が始まりました。

使い方はとてもシンプル。興味のある本や読みたい本を自由に持ち帰ります。持ち帰った本を自宅で保管しても良いし、自分の本と交換しても良いのです。自分の家で必要がなくなった本を入れることもできます。

町のゴミ拾いに参加する

うちの町では3ヵ月に1回、日曜の朝にゴミ拾いがあり、できるだけ参加するようにしてます。私の町は人口200人程の小さな町なのですが、やはり道路に面しているエリアにはゴミが多くあります。それはきっと車からゴミをポイ捨てしたり、ゴミ収集車から落ちてしまったり、風で飛ばされてきたものだと思います。中には何十年か埋まっていた瓶なども出てきます。畑や人気のない場所に、不法に廃棄されたものや、ゴミ袋をそのまま置いて行く人もたまにいます。ゴミをそのままにしておくと、この場所にまた捨てても大丈夫と思われることにもつながりますので定期的に町全体で気を付けています。

残念ながら、町の人が捨ててると思われるタバコ吸い殻も見受けられるので、このゴミ拾い活動を続けることにより、町全体の人の意識にゴミを捨てない、ゴミが落ちていたら拾うという意識が拡がれば良いなと思います。

ブロカントに参加する&行く(バザー)

フランスでは、春になると色々な町で「Brocante(ブロカント)」が開催されます。蚤の市で見かけるような年代物も沢山ありますが、使わなくなったベビー用品(ベビーバス・ベビーカー・服・おもちゃ・哺乳瓶)子供用の服、おもちゃ・本・ゲーム・CD・DVD・自転車・靴・スポーツ用品・工具・食器・家電などが多いです。ベッドや家具などなんでも売ってます。子供が使わなくなったおもちゃを売って、喜んでる姿もたまに見かけます。うちの子供たちは、貯金箱のお金を持ってでかけます。子供たちは普段お金を使うことがないので大喜びです。子供のおもちゃはほぼ1ユーロで買えるので5ユーロ持たせても使わないで次回に持ち越すこともあります。ここで買う前に、本当に欲しいのか?今欲しくても後で使わないことにならないか?「必要のない物は買わない」ということを教えるのにもいい機会だと感じています。

今まで買ったものは、「CDプレーヤー」「レコード」「子どもの靴」「ジャケット」「スケートボード」「おもちゃ」「スターウォーズもの」。破格の値段で、しかも手に取って見る事ができるので失敗はあまりありません。ただし、「CDプレーヤー」は2個のマイク付きだったのですが、1個のマイクの音が出ずCDの接触もいまいちで音が飛んでしまいました。家電だけはきちんと動くかどうか買う前に確認した方が良いと私自身も勉強しました。

服回収ボックスを活用する

地域毎に町の駐車場や、スーパーの駐車場に設置されている衣類の再利用を目的とした服回収ボックスがとても便利です。フランスでは、友達や親戚に子どもがいる場合、お下がりをもらったりあげたりすることが多々あります。しかし、穴があいた服やサイズアウトしてあげるのをためらう程使い古した服に関しては行き場を失ってしまいます。そういう場合は、服を袋にいれて、こちらの回収ボックスにいれます。夫のサイズアウトした服、ずっと使っていない服も同様にいれます。またこちらの回収ボックスは靴も回収しているので、使わなくなった靴、シーツや布団カバー、鞄・ベルトも入れることができます。(地域によって回収ボックスが違いますので、入れるものが変わる場合があります。)

回収した衣類などは、分別されて使える物は利用して、使えないものは建築の断熱材やエネルギーとして再利用されます。(写真イラスト後に追加予定)

最後に

町でのゴミ拾いに参加してから、「フランスでも落ちているゴミが気になってる人はいるんだな」と嬉しくなりました。その後、1・2週間に1回は子供の学校帰りにバス停から家まで子供とゴミ拾いをして帰るようにしています。息子たちは友達と走って先に行ってしまい、私が一人でごみ拾いしてる時も多々ありますが、ごみ拾いをしている姿を見せることで子供にごみ拾いからの環境問題、エコ活動について考えてもらえればいいなと考えています。

いかがでしたか?今回はフランスで子供と一緒にできるエコ活動について紹介しました。

まず、身の回りから、自分のできる範囲でエコ活動を始めてみませんか?

私もまだまだ始めたばかりで手探りですが、エコ活動をしながら、家の中の生活もエコ生活してます!と堂々といえるように、サスティナブルなエコ生活に切り替え中です。

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